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今後の日本で、どう商品・サービスを売っていけばいいのか【コトラーマーケティングの未来と日本・読書メモ】

コトラー マーケティングの未来と日本 時代に先回りする戦略をどう創るか
時代の変化とともに企業も変わらなければすぐにおいていかれる。


詳細

タイトル:コトラー マーケティングの未来と日本 時代に先回りする戦略をどう創るか
著者名:フィリップ・コトラー
発売日:2017/3/24
ページ数:256p
出版社:KADOKAWA
価格:定価 1,944円、Kindle 1,369円、Amazon 中古 751円(2018.9.10)〜
ISBN-10: 4046018747
ISBN-13: 978-4046018748


コトラー マーケティングの未来と日本 時代に先回りする戦略をどう創るか

コトラー マーケティングの未来と日本 時代に先回りする戦略をどう創るか

著者 フィリップ・コトラー

マーケティングイノベーションの世界的権威として知られる。
ノースウェスタン大学経営大学院で教授を務め、様々なマーケティング理論を構築。多くのグローバル企業経営者に影響を与えた。
(WORLD MARKETING SUMMIT TOKYO 2018「https://wmsj.tokyo/wmsj2015/speaker/philipkotler/」より)


コトラー」「マーケティング論」と言ったキーワードを一度は聞いたことがある、もしくは本屋などで見たことがあるのではないだろうか。

「近代マーケティングの父」として広く知られており、あのマイクロソフト会長のビル・ゲイツも入っている、ウォールストリート・ジャーナル紙の最も影響力のある経営思想家のランキングで上位6人の一角を占めている。


本著にも書かれているが、彼自身日本が好きで何度も訪れている。



簡単メモ

(概要や詳細はAmazonページより参照ください➡︎コトラー マーケティングの未来と日本 時代に先回りする戦略をどう創るか

マーケティング1.0

「製品中心」に行われるようなマーケティング

企業はある製品やアイデアを思いつき、実際にそれを作り、それを「買いたい!」と思う消費者に売れるように努力する。ニーズから作っていくわけではない。

Spray and Pray:「広告に対してお金をスプレー(Spray)する」+「祈る(pray)」。宣伝に宣伝を重ねたら、あとは誰かが購入してくれるのを祈るだけ。これが本質。全ての顧客に向けたもの。



マーケティング2.0

「顧客(消費者)中心(志向)」マーケティング

なぜ消費者に焦点を合わせるかというと、「マクロ経済(政府、企業、家計を一括りにした、経済社会全体の動きのこと (マクロ経済│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券))の状況が変わればマーケティングも変化する」というものがあり、現に変化したから。

1970年代に入り、スタグフレーション(不況なのに物価上昇)が起こり、4P(Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進))だけでは不足+コモディティ化(似たような商品ばかりになり、価格競争が起こる)+情報化社会(好みの商品を選択することができる)

➡︎ これらにより、
顧客が本当に何を求めているのかを理解し、他の類似品とは異なる製品を生み出すことが必要になった。「この顧客層がこの商品を求めている」と認識することが重要であり、「戦術的」から「戦略的(近代マーケティング)」へ移行する。


4PからSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)へ

セグメンテーション(市場細分化)し、そこでフォーカスすべきターゲットセグメントを決定する。そのターゲットセグメントにどう認識されるか(ポジショニング:ターゲット顧客の頭の中に、自社製品について独自のポジションを築き、差別化イメージを植え付ける活動)がSTP戦略。

例)生命保険会社
最初はみんな入るから特に行動を起こさないが、競合が来ると自分の強み(高所得者層、ヒスパニックに特化など)を作る。そうやって専門化を進めることで、その商品は会社独自のものになる、その中で保険会社の販売員の知識も専門的になり、他社の競合商品との違いを説明できるようになっていく。

この段階でその保険会社はマーケティング0.1から0.2へシフトしたということになる。

さらに、情報社会が加速し、情報をより多く手にした人たちによる「口コミ」などで、製品の価値が規定されていく傾向が強化。

顧客参加型マーケティング

マーケティング0.2を少し先に進めたもの。

LEGOのユーザー間コミュニケーションコミュニティ」や「ポケモンGO」のように消費者を参加させる。
デジタル化が進む以前は消費者が手にすることのできる情報は企業広告によって提供される情報だけに限られていた。『情報の非対称性』

さらに「顧客参加型マーケティング」が進むと、消費者は自ら作って欲しい製品を会社にデザインさせることができるようになる。
初期の例はリーバイスジーンズ。最近はオンラインメガネ。

体験型マーケティング

上記に類するもの。「体験を売る」

わが社が提供しているものは、競合他社が提供しているものとは違うということを顧客に体験してもらい、理解させる。

人々は材よりも経験を消費するようになっている。
そして顧客に究極の経験を提供するためには、
『4つのE』
 ・娯楽性(Entertainment)
 ・美的要素(Esthetic)
 ・非日常(Escape)
 ・教育的要素(Education)
が必要。ディズニーランドとか。

感情マーケティングストーリーテリング

需要ではなく「感情」に働きかける。
例えば「タバコをやめさせる」ために恐怖という感情を刺激する。様々なマーケティング活動において、感情を高めることで商品に対するコミットメントなどを強化できる
➡︎行動心理学の可能性


マーケティング3.0

テクノロジーのさらなる発達によって、顧客はさらに多くの情報を手にするようになった。その一方でマーケットではCSRにスポットが当たるようになった。

価値主導のマーケティング

人々はただの「消費者」ではなく、「この世界をより望ましいものにしたい」という強い意志を持ち、混乱に満ちた世の中への解決方法を提示できる企業を探している。それらの企業が提供するサービスに対して、精神的な充足感まで求める。


マーケティング3.0の段階にある企業は、
「3つのP」
 ・利益(profit)
 ・人的サービスの質(people)
 ・地球(planet)
を持っている。

例えば
スタバは大量に使用するカップをどうすべきなのか、という問題に対して真剣に取り組んでいる。
クラフトフーズは自らの商品をもっと栄養価の高いものにしようとしている。
マックも2000年代に入ってフレンチフライの油をよりヘルシーなものに変え、サラダを充実させるなどしている。

生命保険会社を例にすると、
できるだけ利益を上げるためには顧客に長生きしてもらう必要がある。長生きしてもらうためには健康や事故の防止など長寿につながる情報を消費者に提供する必要がある。そうすると顧客は企業に価値を感じるようになる。
CLV(Customer Lifetime Value:企業と顧客が継続的に取引をすることによって、顧客が企業にもたらす価値(利益)のことを指す)を増大させるためには、会社がその顧客に対して「献身的」であろうとすることが何よりも重要。

顧客は金儲けにしか関心がない会社よりも、思いやりのある会社の方を選択する。


マーケティング4.0

デジタル革命時代のマーケティングアプローチ。

企業と消費者の間のオンラインとオフラインの相互作用の組み合わせ、ブランド確立のためのスタイルと実態の組み合わせ、そしてIoTによる機械のネットワークと人の間のネットワークの組み合わせが本質。

マーケティング3.0でもインターネットに焦点を当てているが、まさにそのテクノロジーそのもの、デジタル革命に焦点を当てたもの。
それは「オンラインとオフラインが出会った」こと。

この時代では、様々な情報をスマホを使って入手しようとしている人が世界中で増えている。欲しいものを友達に聞いたり。

そうした状況の中ではいかなる企業も勝ち相当の品質を提供することが必要になる。

現在において「企業の方が圧倒的に情報を持っている」という「情報の非対称性」は完全に崩壊した。

しかし一方で、企業側も消費者の情報をより多くてに入れている。
例えば、今乗っている車は?何歳?年収は?読んでる雑誌は?SNSでなに発言した?などのミクロの情報まで。


こうしたデジタル時代の中、顧客がある製品を購入するための道筋モデル「5A」を作った。

Awareness(気づき)→Appeal(魅了)→Ask(尋ね・求め)→Act(行動=購買)→Advocacy(推奨表明)

これは顧客の購買決定プロセスに関する理論のAIDAに取って代わるもの。

まず企業がやることは、プロモーションを創造的に使い、ターゲットになる顧客に自社製品やブランドを知ってもらうこと。【気づき】

次に【アピール】。他の競合ブランドを超えるように、ターゲットになる顧客に対して魅力的な申し出を行わなければならない。これは4pをうまく設定することによって達成できる。さらに今はネットで色々調べられる。そこで満足のいく答えを得て、その製品が強い魅力を維持していれば買おうと決める。


従来のマーケティングは最初の二つのAを重視していたが、デジタル革命による変化によって後の3つも重要に。 Askは検索エンジンとかがあってこそ。ActはECサイトによって大きく変容。Advocacyはソーシャルメディアなしでは実現しない。


自己実現マーケティング4.0

今の時代、物質的に豊かになったということはあるけど、成功者のストーリーや、彼らが世界中で活躍している場面をいくらでも目にすることができる。以前よりもはるかに多くの人が自己実現に向かっていることをマーケターは意識するべき。

レジリエンス、アジリティ、マインドフルネス

「変化」と「破壊」が激しい現在の世界を企業が生き抜いていくためには
レジリエンス」:特定の問題や損失に見舞われた時、そこから復元するための能力。「アジリティ」:迅速に学び、変化する状況にスピード感を追って対応する能力。
 個人は「マインドフルネス」:自分に起こっていることをそのまま認識し、心を自然に保つための訓練法。
グーグルもやっている。「サーチ! 富と幸福を高める自己探索メソッド

ドラッカー

マーケティングの理想は、売り込みを不要にすること」。
自然に売れていく状態。それを作るためには顧客が今何に価値を置いているか、を学ぶ必要がある。漫然と製品を生み出し、後付けのようにその製品を語ろうとする姿勢をドラッカーは批判した。

日本の教育の今後

アメリカは起業家精神が旺盛で、IBMのような大手に勤めることにあまり関心を示さない。ビジネスを興し、それを成功させて売却し、莫大なお金を儲ける。そのお金でまた新しいビジネスを興す。そうした起業家たちをシリアル(連続した)・アントレプレナーと呼ぶ。いい例がイーロンマスク。

日本では起業家精神を育てるために教育方法を「記憶を教える」→「思考を鍛える」ことに変えねばならない。アメリカのバブ尊大卓という私立の起業家教育に特化した大学では、在学中にやりたいプロジェクトを明確にしなきゃ入学すらできない。そこではプロジェクトに必要なものを教える+創造性を育成するための授業等。それに習えば、日本も科目から始めず、子供が関心を持っていることから始めてその中にある科目を教える、というやり方もあるのでは。

また、サムスンは新しい製品を考案する時、企業内に二つのチームを作って競争させる。つまり創造性は様々な方法によってもたらされる。

Mind Stretching

これは「知性を広げる」という意味。

専門以外の本を意識して数多く読まなければ、知性を広げることはできない。そもそも勉強というものは、何も大学で終わるものではない。「生涯学習」という言葉があるようにそれは自らの一生涯をかけて行うべきものである。
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一つの職にとどまることが難しい。アメリカの転職回数は、勤続年数から単純計算すると日本の約3倍の9回。今後は自動化やIT化、3Dプリンタもさらに普及する。

オックスフォード大学の研究によれば、これから20年の間に現在の世の中にある仕事の47%が自動化

➡︎転職もだが、起業の重要性も示唆している。なぜなら、起業は今までになかった雇用を新たに生み出すから。

➡︎起業しやすい環境を整えるべき。
教育機関が取り組むべきは、大学院ではなく大学レベルでも、起業家になるための訓練を受けられるようにすること。経営大学院もMBAだけでなくMBC(Master of Business Creation事業創造修士)という学位を準備するべき。

重要なのはスタートアップの時、その資金を銀行に頼ってはいけない。

資金の返済だけにエネルギーを費やしてしまえば、その事業を継続しようというモチベにも影響し、時間を無駄にしてしまう。スタートアップはキックスターター型の資金を活用すべきだが、アイデアが浮かんだ時、資金調達がアメリカのように簡単できるようになれば、日本でも起業を志す若者は増えるだろう。

ただ、資金調達するためにはしっかりとした妥当性の担保など補佐していく必要があるから、その場を作る(フィードバックなどして)という場もあり。

今の日本がどれだけ新しい未来を描けるか、ということは、「若者がどれだけ新鮮なビジョンを持てるか」ということにかかっている。
描けなかったら、既存のエリートと既存の企業が引き続き力を振るうことになる。忠誠心がある兵士になり、昇進で頭がいっぱいになってしまう。小さいうちから若い子にビジョンを持たせる必要がある。

幸福について

現在のフランス人の所得は1950年代と比べて2倍になったが、幸福度は3分の1に減少したという(経済学者コーエン)。

ある一定のレベルまでは、年収が増えるとそれに比例して幸福度も増すことがわかっている。

あとは精神面と物質面の双方が発展し、互いを高めあった時に幸福が誕生する。

個人が幸福を感じれば感じるほど仕事のパフォーマンスも向上する。不透明な時代の中で、改めて幸福の本質を考えることは、仕事、生活、そして人生すべてに関わる不可欠な行為であると言える。ちっちゃい幸福を味わえるものを日常的に感じさせたい。


コトラー マーケティングの未来と日本 時代に先回りする戦略をどう創るか

コトラー マーケティングの未来と日本 時代に先回りする戦略をどう創るか