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【学生編】根本から違う 就活の向き合い方[佐藤大輔教授 × ふたラボ]#2

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この記事では、現役の大学生からいただいた質問や相談に、北海学園大学経営学部の『佐藤大輔教授』が経営学の専門的な知見をベースに応えていき、次のアクションへつなげるための具体的な"学び"を提供していきます。

動画はこちらです。



根本から違う 就活の向き合い方【佐藤大輔教授 × FUTA LABO】

スピーカー

佐藤大輔さとうだいすけ北海学園大学経営学部教授)
専門は経営学(マネジメント、経営管理)。組織における人々の行為や創造性などが研究領域。就職活動セミナーでの講師や、管理やマーケティングをテーマとする講演等多数。著書に「『創造性』育てる教育とマネジメント」同文館 2014年(編著)。

神野祐輔じんのゆうすけ(FUTALABO | 動画クリエイター)
北海学園大学卒。動画制作を通して若手人材に実践的な学びを提供する『FUTALABO(ふたラボ)』を創業。動画クリエイター兼カメラマンとしても活動中。最近はテレビCMの企画から撮影、編集なども行なっている。

トークテーマ

就職活動で第一希望の会社に落ちてしまいました。大学生活をその会社に入るために頑張ってきたつもりですが報われずにやる気を失っています。それでも就職活動を続けなければならないと理解しているつもりではありますが、どうしても動けなくなっています。どう考えれば前に進めるでしょうか?

第一志望に落ちても受け続けることが大事

神野:就職活動(以下、就活)って頑張ってもなかなか報われないものですよね。最初のエントリーシート(就活で学生が企業に提出する応募書類の一つ)が通ると行けると思っちゃいますし。

佐藤教授:やっぱり第一志望に対しては思いが強いし、それが落ちちゃったら相当ショックだけど、どこか就職先は決めなきゃいけないんだよね。

しかもこういうときって、「第一希望じゃないところに就職したって幸せになれない」みたいな考えに陥ってしまうんだよね。

神野:まだ企業に入ってないのに変な愛着を抱いて「これ以上良い会社なんてないんじゃないか」って思ってしまいますよね。

佐藤教授:この悩みって結構多いんだよね。でも実際、就活中だったらここで止まってしまうことの方が問題。止まっている間にも色んな会社がエントリーを締め切ったりしているわけだから、持ち駒(企業選択肢)をずっと持ち続けることがとても大事。

と言っても、精神面を考えるとやっぱり止まったり悩んだりするよね。

第一志望はあなたが作り出した"妄想"に過ぎない?

佐藤教授:今回の相談に対しての答えとしては、冷静かつ客観的に「『第一志望』ってなに?」っていうことを真面目に考えてみて欲しいってことかな。

第一志望って言っても入ったことのない会社のことを「第一志望」って言っているわけで、多分思い込みが大きいと思うから絶対に固執する必要ないよっていうのが自分が相談されたときの答え。

会社を見るときは、「社会人として」と「お客さんとして」の2つの視点があると思うんだよね。その会社に入りたいっていうことはその会社で働きたいということだから、働き手としてその会社がどれだけいいかっていうことを評価しないとダメなんだよね。

だけど、どれだけ調べてもどれだけ色んな人に話を聞いても、入った後に自分がその会社でどうなるかやどんな仕事ができてどんなエキサイティングな生活を送れるかっていうのは分からない。

じゃあなんでその会社のことを第一志望って言ってるかというと、結局それは妄想が広がってるだけに過ぎないから。「きっと入ったらこうだろう!」という気持ちで見てるから、良いところだけを引っ張り上げて「やっぱり俺はここしかない」みたいな感じで思ってしまうんだよね。

だから、もしお客さん(学生)目線で見ていたとしたらあまり気にしなくていいと思うな。

落ちるからこそ見えてくる「本当に行きたい会社」

佐藤教授:あとこれは経験則だけど、第一志望って言ってる業界や会社に就職する人って本当に一握りしかいない。だから落ちる方が普通だと思うんだよね。

でも大事なのは、落ちた人がみんな嫌々第2志望や第3志望の会社に入ってるかっていうとそんなこともなくて、ほとんどの人は就活が終わったとき「おれこの会社が一番良かった」とか「私に一番合ってる会社途中で見つけました」って言う人がほとんどなんだよね。

どういうことかというと、一社目はむしろ落ちて当然だし、落ちるからこそ本当に行きたいところを見つけることができる可能性があるよっていう。

大体、第一志望ってお客さん目線で見つけた会社に惚れ込むことが多いので、働き手として見てないことが多いんだよね。

だけど就活中に見つける会社って、その会社のリアルな働く状況や仕事内容などを他と比較したり採用担当者に聞いたりしてある程度分かってきた上で見つけているので、その会社の方が本当の希望に近いというか、リアルな志望対象になる可能性が高いんだよね。

そう考えると、妄想が広がって第一志望って言っちゃっているような会社であれば「落ちてよかった」ぐらいに思ってもいいのかなって。

だから固執する必要もないし、むしろもっと良い会社見つかるから今から動いた方がいいよって言えるかな。

働き手として企業を見るには、「情報」と「対話」が必要

神野:学生(お客様)目線で企業の良さを見てしまうと落ちて普通で、いま思っている良さは本質的な良さではないので、落ちたことをそこまで思い悩む必要はないっていう話ですよね。

いまの話でとても大事なのが、第2志望、第3志望を受けていく中でより良い企業に出会えるという理屈はあったとしても、学生目線のまま第2志望、第3志望を探しても意味ないんですよね。働き手(社会人)目線への切り替えが問題解決の突破口のようなものになっていくのかなと。

そこで働き手(社会人)として企業を見るって具体的にどういうことですかね?

佐藤教授:これは一言で表現するのはほぼ不可能なんだけどやり方はハッキリある。それは、たくさんの情報を集めてたくさんの人と対話するってこと。

例えば、採用担当者や経営者の人と面接で話をする機会があったら、相手が求めてることがどんなことなのか?は話せば一発でわかるよね。自分が用意していた答えを聞いてくれなくて全然違うことばかり問われたとか。「あぁ、この会社はそういうことを期待してるんだ」ってことに気付いた経験って就活中に何度もあると思うんだよね。

自分たちが思う良い就活生や良い質問と、向こう(企業側)が本当に聞きたいことって違う可能性があって、そうやって就活中に社会人と会うことによって、社会人や採用担当者の目線がどこにあるのかっていうのを獲得していくんだよね。

だから経験あると思うんだけど、2年生や3年生が就活終わった後の4年生と話すとちょっと大人に見えるというか、半分社会人になった感じになる。

そして本人も自信が持てているから何か変わったとは思っているんだけど、何が変わったかっていうのはほとんどの人がうまく言えないんだよね。

それを表現するならば、社会人の視点を獲得することができたから自分は変わったっていう確信があるし、今までと違うものの見方や言い方ができるようになってるっていうことなのかな。

神野:確かに社会人が何を考えて、日々どういうふうに仕事と向き合っているのかって、大学の中だけで生活していたら全く見えてこなくて不安になっている人って結構多いのかなって思います。就活の中で出会う社会人と色々とコミュニケーションを取ることで、社会人が考えていることや言っていることの意味がわかってきますよね。

佐藤教授:だからこそ多くの会社を受けた方が良いと思うし、受けて話す中で新しくやりたいことが見えてくるっていうのが就活の良さでもある。やっぱり就活そのものが成長の糧になっている可能性があるかな。成長した結果、就活で評価されるんじゃなくて就活そのものが成長する期間になっている可能性があるので、そういうふうに就職活動を見れると良いのかな。

就活には答えがない難しさがある

神野:内定をもらうことがゴールではないですもんね。むしろそこからの方が長いですもんね。

佐藤教授:内定をゴールだと思うのって、受験の合格と同じだと思っているからだと思うんだよね。

神野:学生目線でのゴール設定ですよね。

佐藤教授:就活講座もやっているんだけど、そこでよく「就活っていまいちわからないから不安が多いよね」って話をするんだけど、その中で「就活の内定を合格だと思ってしまうとすごく辛いですよ」って話もするんだよね。

どういうことかというと、受験の合格って一生懸命に勉強すると絶対にいきつけるところなんだよね。そして合格するためには何をしたら良いかっていうのがハッキリと明示されてるんだよね。簡単に言うと、何点以上とれば必ず合格っていう線が引かれている。

でも就活には明確なラインがないんだよね。だから自分の思い通りにはならないし、失敗してもなんで失敗したのかわからないってことが結構あるんだよね。会社によってはフィードバックをくれたりするんだけど、そのフィードバックが実際役に立たなかったってことが結構あったりするんだよね。それはどうしてかというと答えが1つじゃないからなんだ。

社会で求められる力が就活でも求められている

佐藤教授:つまり、学校での勉強のテストの答えって1つしかないんだけど、社会に出て仕事をする上で答えが1つなんてことはなくて、自分なりの答えを作っていくしかないんだよね。

それを実践力って言ったりするんだけど、まさに就職活動ではこの力が求められているんだよね。

だから合格するための方法が1つに決まっているわけでもないし、何を持って合格に行きつけるのかっていう答えも一つに決まってるわけではないんだよね。

だから、内定を合格だって思ってしまうと「こんなに頑張ってるのに」「こんなに努力してこんなに先生の言う通りやってるのに内定をもらえない」って人のせいにしたくなっちゃう。

思っても見なかった結果を楽しむ思考を身に付ける

神野:周りの足並みやスピード感を気にする就活生がいると思うんですけど、自分の中のやりたいことを見つけるタイミングも人によってバラバラだし、自分が本当に行きたい企業が見つかるタイミングもバラバラだから、周りが内定持ち始めても焦る必要はないし、内定の数だって気にする必要も全くないから、落ち着いて自分のやりたいことは何かっていうことを考えて就職活動と向き合っていくべきかなと。

佐藤教授:内定いくつ貰ってても結局行くところは1つなので、あんまり気負う必要もないし、そもそも内定はゴールではなくてスタートだからね(笑)

多くの就活生が「内定を貰えばゴールテープを切ってあとはもう楽になる」と思っているけど、会社の人からすると仕事を始める入り口が内定なのであってその後の方が大変だから、あんまり受験的に考えないほうがいいし、ゴールだと思っている人って評価されないと思う。採用担当者もわかっちゃうので。

神野:そう考えると、第一志望を落ちたことは何も悔やむ必要も悩む必要もない。そして、ここから進んでいくうえで大事な考えとしては社会人の目線(情報)を取りこぼさずにしっかり次のステップに進んでいくこと。学生(お客様)視点から社会人(働き手)視点に切り替えていくっていうことを丁寧にやっていけば素敵な出会いは絶対にあると思う。

佐藤教授:全く慰めじゃなく本当にそうだと思う。思った通りの結果を出すんじゃなくて思っても見なかった結果を出すってことをエキサイティングだと思えた方が良いと思うし。想定通りの答えを出して想定通りの企業に受かるのも素晴らしいと思うんだけど、それ以上に思っても見なかった自分の可能性を見つけた方が相当エキサイティングだし、人生の広がりが大きいと思う。

神野:ワクワクしますよね。

佐藤教授:やっぱりそっちを目指すべきかなと思うと、第一志望に落ちたからこそ思っても見なかった一歩を踏み出しているわけで、むしろラッキーだって極論言えると思う。そうやって捉えられる人って強いなあと思うし、是非この人もそういうふうに考えて前に進んでほしいなと思うな。

神野:是非前向きにこれからもチャレンジングに頑張って下さい。